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2026.01.29

イベントレポート

「はじめの一歩とその先の挑戦へ – 学生起業のリアル トークセッション Vol.2」を開催しました

2025年12月12日(金)、タワーホール船堀にて「はじめの一歩とその先の挑戦へ – 学生起業のリアル トークセッション Vol.2」を開催しました。

今回のイベントでは学生起業家2組(3名)に登壇いただき、学生起業のきっかけや、学生起業家だからこその壁、その乗り越え方などを、具体的なエピソードを交えてお話いただきました。本レポートでは、行動を起こし、ご縁や好きな気持ちを大切に取り組む若き世代のトークセッションの模様をお届けします。

【登壇者】


座間 耀永(ざま あきの)

非営利型一般社団法人AZ=Bande代表理事/慶應義塾大学環境情報学部1年生

2006年生まれ。東京都出身。高校2年時、「言葉の力」コミュニティ、非営利型一般社団法人AZ=Bande(アイジーバンデ)を設立。「赤入れをせずほめる文章教室」の開催などを通して売上の一部を団体に寄付し、体験格差解消に向け取り組む。第3回Reライフ文学賞最優秀賞を受賞した『父の航海』が2024年11月に文芸社より出版。

小田嶋 俊佑(おだじま しゅんすけ)

Hitting 代表 / 専修大学商学部

2005年東京生まれ。専修大学商学部マーケティング学科に在学し、マーケティングを専攻。中学から続けるソフトテニスをさらに盛り上げたいという思いから、指導者と生徒をつなぐプラットフォーム「Hitting」を立ち上げ、競技の普及活動に取り組む。将来は、ソフトテニスをオリンピック競技にすることを目標にしている。

深井 翔大(ふかい しょうた)

Hitting 代表

2004年東京都生まれ。高校時代にソフトテニスと出会い、その魅力と同時に普及の難しさを痛感。「スマッシュ級の出会いをすべての人に」を掲げ、仲間の小田嶋さんと共にプレーヤーと指導者をつなぐ新サービスを開発中。現在はHP・SNS・公式LINEを通じて発信し、普及拡大に挑戦している。

学生起業した理由。父の存在や、高校時代の仲間など

起業と言えば、人それぞれきっかけがあるもの。ただ、学生という若いうちに起業しようと思う背景は、特に気になるものです。トークセッションではまず、座間さんから現在の活動内容と、大きな一歩を踏み出した理由が明かされました。

座間)高校2年生のときに起業し、非営利型一般社団法人AZ=Bande(アイジーバンデ)を設立しました。小学生新聞のリポーターを務めるなど幼い頃から文章を書くことが好きだったんです。コロナ禍で対面コミュニケーション機会の減少、若者言葉の流行による感情リテラシーの低下などが心配になって「何かできることはないか」と思ったことが、設立のきっかけでした。

また、その年の元旦に闘病中の父からお年玉をもらうとき「大志を持つ」という言葉を受け取って、私なりにできることはないのかと思ったことや、コロナ過にオンライン開催された東京大学メタバース工学部の起業家講座への参加も、私の背中を押してくれました。

そんな中、父の病状が悪化したんです。父が存命のうちに起業を実現したいと思うようになり、3か月で法人を設立して登記まで行いました。父は生前Facebookに病状などについて投稿していたのですが、最後の投稿が私の起業に関する記事だったのも感慨深いです。

現在はAZ=Bandeで「赤入れをせずほめる文章教室」を全国的に展開しているほか、ヨットの普及活動や環境保全活動、イベントへの登壇などを行っています。

一方で、深井さんと小田嶋さんは、大学在学中にソフトテニスのプレーヤーと指導者をつなぐプラットフォーム「Hitting」を立ち上げました。部活動の指導者不足、それに伴う競技力低下の解消につながるビジネスアイデアとして、「えどがわ起業ビジネスプランコンテスト」にも入選。現在は、将来的な法人化も視野に入れて事業を進められています。

深井)最初はサッカーをやっていたのですが、高校生のときに初めてソフトテニスの魅力に触れ、「もっとソフトテニスの魅力を発信したい」と考えるようになりました。大学生になって、僕ら文系学生は時間的にも環境的にも余裕があるとも感じました。

そんなとき、気持ちが先走りしたのもあるんですけど「行動した方が良い」と思ったことが、学生起業のきっかけです。

小田嶋)僕らは高校も一緒で、同じソフトテニス部で元から仲が良かったんですが、深井から大学生のうちに一緒にやらないかって声を掛けてもらったんです。そこから起業という道が見えてきました。

ただ「起業しよう」と言っていても、なかなか行動できないと思うんです。そのため、私たちは期限付きの目標を決めて行動していくことにしました。そこで見つけたのが『えどがわ起業ビジネスプランコンテスト』です。応募にあたって過去の受賞者のプランを調べたのは本当に勉強になりましたし、何より「目標に向かってとにかく行動を起こす」という機動力は、起業においてとても大切だと身をもって実感できました。

登壇者3名のお話から、それぞれ課題意識や熱意をもって起業を志したことが伝わってきました。ただし、強い思いを持っていても、それだけで実際に起業できるわけではありません。明確な目標や期日を設け、具体的な行動に移すことが、思いを形にしていく上で重要だとわかりました。

起業までの道のり…「お年玉の貯金」を自己資金に

学生に限らず、起業に至るまでには様々なやるべきことがあります。ただ、そのやり方は当事者によって違います。座間さんは3か月で法人を設立されましたが、深井さんと小田嶋さんのお二人は事業立ち上げ後すぐに起業という方法を取らず、事業を推進しつつ準備を進められています。両者の立場から、起業に向けてすべきことを伺いました。

座間)起業を決めてからすぐに行ったのが企画書の作成です。まずはアイデアの頭出しをして周囲の反応を見た上で、企画書にまとめていきました。

起業の情報収集には苦慮しましたが、知り合いの友人に紹介していただいた司法書士と税理士に相談しながら進めていけたのは非常に心強かったですね。他にもさまざまな方に協力いただきながら、Webサイトの制作や宣材写真の撮影などを進めていくことができました。

また私の場合、起業に際して資金調達はしませんでした。作文コンクールの賞金やお年玉の貯金など、自己資金で始められたことも、3か月での法人設立というスピード感につながったと思います。

深井)座間さんから士業の方にアドバイスをいただいたというお話がありましたが、私たちがまだ起業をしていない背景にも、税理士の方からのアドバイスがあります。現状はまだ事業を立ち上げた段階のため「顧客の獲得やステークホルダーとの関係構築などが進んできた段階で起業し、法人化する方が良い」と言っていただいたんです。そのため今の事業を推進して足場固めをした上で、今後起業することを予定しています。

小田嶋)すぐ起業するにしても、今後進めていくにしても、とにかく行動していろいろな方との縁をつくることが非常に大切です。例えばお話した税理士の方も、いろいろなところに足を運んで行動する中で出会えた方です。

また、ソフトテニスの普及活動をする中でさまざまなコミュニティとつながることができ、日本ソフトテニス連盟の副会長の方と出会うことができました。行動したからこそ得られたご縁は事業を進めていく上でとても重要ですし、今後起業をする上でも大いに力になると思います。

起業にあたって、専門家や周囲を巻き込みながら進めていくことが大切だというお話がありました。ただし、助けになってくれるような人との縁は、一朝一夕に得られるものではありません。登壇者3名がそれぞれ行動し、その中でつかんだ縁が起業を後押しする力になっていることが伝わってきました。

“大学生ならでは”の強みに目を向け、起業の壁を超える

続いて、起業後の苦労や学生起業ならではの壁、その乗り越え方について伺いました。

座間)起業後は運転資金の確保、認知度の部分で大変さを感じています。私のビジネスモデルは“稼ぐ”ことを前提に置いていないこともあり、運転資金の確保には難しさを感じます。今は会社を持続的に経営するため、黒字化に取り組んでいるところです。

また、新聞記事などメディア露出によりお声がかかることもあるため、そういったところからご縁をつなぎながら、認知度向上に向けて励んでいます。

一方で、学生起業だからこその壁は、起業後よりも起業前の手続きの部分で感じることが多くありました。法人設立のための理事の確保だったり、銀行口座の開設だったり、ビジネス用のクレジットカードの獲得だったり。そこについても小学生新聞のときにお世話になった方に理事を頼んだり、税理士さんのつながりのある銀行に頼んだりと、ご縁によって乗り越えることができました。

小田嶋)学生起業において、一番の壁はお金の面ですね。アルバイトで稼ぐ額にも限界がありますし、両親の扶養の範囲内におさめなければならないという制約もある。Web制作するにも外部委託できないなど、お金の問題でさまざまな面で行動制限が出てしまうことは多くあります。

しかし、だからこそ身につく力もあると感じています。実際に、Web制作は予算の関係で外部委託はできなかったため、私自身で開発を行ったんです。自分自身にとっても非常に良い経験となりましたし、能力向上につながったと思います。

深井)学生ならではの壁もありますが、“大学生ならでは”の強みに目を向けることで打開できることがたくさんあると思います。

例えば大学生だからこそ、社会人よりも自由な時間がたくさんあることもその1つ。大学生だからコネクションが少ないと嘆くのではなく、大学生ならではの自由な時間を使うことで、コミュニティやつながりを広げていくことができる。この強みを生かし、他にはないビジネスの勝ち筋を見出していくことが大切だと思います。

座間さんのお話からは、学生起業する上での現実的な手続き面での課題を具体的に知ることができました。また小田嶋さん、深井さんのお二人には、学生起業ならではの“壁”を“強み”に変えていくという視点からお話いただきました。

「アイデアに愛情を持つ」…起業に挑戦しようとする方へのメッセージ

最後に、登壇者3名から起業に挑戦しようとしている方へメッセージをいただきました。

座間)信念を持って、まずは行動してみてください。もちろん苦しい場面もあると思いますが、そういうときこそ原点に立ち返って自分の“好き”を見つめ直すことで、信念を持って進み続けることができると思います。

そして、人とのご縁はとても大切です。これまで出会った人たちとの縁を大切につなぎつつ、新しい縁をどんどん広げていくことは、起業をする上で大きな力になってくれると思います。

深井)起業に向けて行動をする中で、心ない言葉を言われることもあると思います。私たちは「こんな事業は無理」「稼げないといった」という言葉をかけられた経験があるんです。

そのような中でも続けられたのは、私たちが自分たちのアイデアを信じ、実現に向けて考え続けてきたからです。自分たちのアイデアに愛情を持つこと、信じ続けることが一番大切だと思っています。

小田嶋)自分の中に、大きな目標を持つことが大切だと考えています。揺るがない大きな目標を持ち続けることで、さまざまな壁を乗り越えられ、挫折したとしてもそれを力に変えていくことができます。

それでもくじけてしまいそうになることもあるかもしれません。そんなときには、周囲の人に頼ってみてください。周囲と支え合いながら、一歩ずつ進んで頑張っていきましょう。

全体を通じて、「行動すること」「縁」の大切さが伝わってくるトークセッションとなりました。学生で起業するからこその困難もありながら、それを周囲のサポートを得ながら行動することで乗り越え、力に変えて進んでいく姿勢を登壇者3名から感じることができました。

そして共通しているのが、“好き”の気持ち。「書くことが好き」「ソフトテニスが好き」という“好き”の気持ちが原動力となって、学生起業という大きな決断につながり、前に進み続ける力になっていることが伝わってきました。

参加者からの感想…「刺激に」「小さなことからでも行動」

盛況の内に終わった今回のトークセッション。アンケートを通じて、好評の声が寄せられました。初めて参加された方は「刺激になりました。頑張ろうと思いました。起業後のノウハウなど詳しくわかって良かったです」とコメント。「行動できる人は強いと思ったし、自分も小さなことからでも行動してみようと思った」という感想や「学生のうちにやれることやらせてあげられたら良いなと改めて思いました」という若い背中を後押しする前向き声もありました。

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【バックナンバー】学生起業のリアル トークセッション Vol.1の開催レポートはこちら(2024年7月開催)

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