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2024.06.10
イベントレポート
「そのビジネス誰に届けるの?」~マーケティングの基礎~を開催しました
2024年5月24日(金)、「そのビジネス誰に届けるの?」~マーケティングの基礎~ を、江戸川区船堀にある「タワーホール船堀」にて開催しました!
講師はMBAの理論をコンサルティングファームやITメガベンチャーなどで実践してきた金丸裕佑氏。
マーケティングの基礎について、起業家の皆さんが押さえるべきポイントや市場リサーチの手法などについて解説いただきました。
今回はその内容から、特に重要な点を抜粋してご紹介します。
【 講師 】
ビジネスエンターテインメント合同会社 代表取締役社長
金丸 裕佑氏
SMBCコンシューマーファイナンスの法務部門・事業企画部門を経てMBAを取得。その後アビームコンサルティング株式会社、株式会社ミクシィ、株式会社ディー・エヌ・エーにて経営および事業戦略の策定、新規事業の立ち上げ、事業企画、採用ブランディング等に従事。2019年8月にビジネスエンターテインメント合同会社を創業し、プライム上場企業からベンチャー・スタートアップの経営戦略策定、新規事業立ち上げ支援、社会人向けの研修・セミナー事業に取り組む。東京都中小企業振興公社運営StartupHubTokyoコンシェルジュ(起業相談役)、北海道科学大学客員准教授。
マーケティングとは、ニーズを捉えて売れる商品・仕組みを作ること
マーケティングの定義には諸説ありますが、ざっくり言うと市場や顧客のニーズを捉え、売れる商品や仕組みを作ること。
そのプロセスは次の5段階に分かれるそう。
- 顧客を理解する(リサーチ)
- 提供価値を明確にする(企画)
- 価値を具現化する(開発・生産)
- 価値を顧客に届ける(流通・広告・宣伝・販売・配送)
- 効果を測定する(顧客サポート)
成熟した市場では、マーケティングがますます重要に
マーケティングが必要な背景には、市場の成熟化があります。
モノが十分に行き渡っていない時代には顧客の課題がシンプルで、大雑把な価値提供でもある程度解決できました。しかし十分にモノが行き渡った市場では、顧客の問題やニーズが多様化・細分化します。こうした状況では顧客を十分理解し、提供価値を明確化しなければ課題の解決に至りません。
例)洗濯機 1950年代のニーズ:手洗いから解放されたい
→「自動化」だけで価値がある
1980年代以降のニーズ:衣類が傷まないように、静音性、省エネ、時短…
→細かな価値設定が必要
マーケティングを適切に実践すると、市場や顧客のニーズを的確に把握し、競合の状況も鑑みて自社が提供する価値を明確にできるようになります。結果的に、顧客の増加や価値に見合った価格設定などが可能になり、ビジネスの成功につながると金丸氏は言います。
マーケティング戦略の鍵は3W1H
マーケティング戦略で重要なのは「Why」「Who」「What」「How」の4つ。
「何のために」「誰に」「どんな価値を」「どのように提供するのか」を論理的に考える作業を通して、抽象的な概念を施策にまで落とし込みます。
- Why:目的
- Who:ターゲット。顧客の属性だけでなく、抱えている問題やシーン、その背景まで明らかにする
- What:提供価値。便益面、感情面、ステータス面からそれぞれ検討し、顧客が望むゴールを設定する
- How:プロダクトまたはサービス、およびその提供方法。価格や提供場所、訴求方法を具体化する
このうち「Why」は企業のミッションや事業理念など、各社それぞれ独自のものがあるはず。
ここからは「Who」「What」「How」を1つずつ見ていきます。
「Who」:顧客の「負や不」の内容、場所、理由を特定
マーケティング戦略で何よりも大事なのが、顧客像の設定です。
属性だけでなく「顧客がどんな人々で、何に苦しみ、何を求めているのか」を徹底的に考え、現状より少しでも顧客について知る努力が重要です。
洗い出した情報はペルソナに落とし込みます。その際のポイントは、身近な誰かの顔が思い浮かぶぐらいまで精度を高めること。そうすれば顧客イメージがぐっと深まり、チーム内での認識も揃えられます。
ペルソナで押さえるべきは次の5点。
1.基本情報(属性だけでなく趣味や休日の過ごし方、情報接点まで)
2.性格や価値観
3.生活や消費に関する行動特性 抱えている「不や負」(不満、不便、負担…)
4.ニーズ、購買の決め手
5.製品やサービスとの出会い方や、その際の行動・感情など
このうち特に大切なのは4つ目の「不や負」の部分。
どんな性格・暮らしの人が、日常でどんな「不や負」と出会うのか、そしてお金を出してでも解消したいと思う場合の判断軸は何なのか。ここを丁寧に言語化すれば、その後の事業の具現化がぐっとスムーズになるそう。
続いて行うべきは、顧客が自社プロダクトやサービスと出合う過程を描き出す作業。
注目・認知、興味・関心、検索、購買、評価・共有、離脱、復帰など段階ごとに、欲求や行動、接点、感情などを描き出す作業を通して、顧客の抱える「不や負」が起こる場所をつかみましょう。
「不や負」の中身と場所を特定したら、その背後にある要因を突き止めます。
このとき「なぜ?」を最低5回は繰り返すことで、「不や負」を起こす根本的な原因が見えてくると金丸氏は言います。
顧客理解の段階では、フィールドリサーチやインタビューなどで顧客に関する情報を収集します。その方法は主に下記2種類です。
- 探索型:方法や手がかりのない領域でビジネスを行う場合、感覚をつかむために現地に行ったり人に会ったりして情報を集める方法
- 仮説検証型:ある程度想像のつく領域でビジネスを行う場合、仮説を立てて対象となる人々にヒアリングなどを行う方法
加えてこのフェーズで大切なのは、日々を生きる姿勢とのこと。
今知るべきは何かを考えながら生活していると、何気ない日常でも入ってくる情報が変わるとお話がありました。ぜひ意識してみてください。
「What」:「不や負」を解消する3つの価値を細分化
顧客像がある程度見えてきたら、次に3つの角度から提供価値を洗い出します。
- 便益面:性能や品質などの機能的価値
例)簡単、便利、安い、速い、丈夫… - 感情面:提供したい情緒的価値
例)安心する、落ち着く、うれしい、楽しい… - ステータス面:ステータスなどの社会的または自己表現的価値
例)所属、居場所、つながり、自分らしさ…
このうち機能的価値については、資本力のある大企業が有利です。とはいえ、顧客が求める機能には限度があります。
一方で感情面やステータス面は独自性を出しやすい分野でもあり、起業家の皆さんは顧客との絆づくりなどで勝負するのがよいとのことです。
「How」:マーケティングミックスで最適な方法を提供
顧客に提供する価値を具体化する際に考慮すべきは、下記4つのPです。
- Product(製品・サービス):何を作るのか
- Price(価格):いくらで売るのか
- Place(流通チャネル):どこで、どうやって届けるのか
- Promotion(プロモーション):どうやって知らせるのか
そこから詳細化する際に持ちたい視点は「一貫性があるかどうか」。
「Who」「What」との整合性、そして4Pが互いにすべてつながっている状態を目指します。
たとえば、「車を成功のシンボルと考えている年収2,000万円以上の高所得層」に「承認欲求を満たすという価値」を提供したいにもかかわらず、Product(製品)がかわいいデザインだったり、販売場所(Place)がショッピングモールの一角だったりというのは一貫性がありません。
この例は当たり前のように聞こえますが、実際に書き出してみると整合性のなさに気づくケースがよくあるそう。
何度も確認しながら整えましょう。
特に「Who」との整合性は何よりも大切。顧客を忘れてProductから考え始めるのは失敗のもとです。そのため、上記の4Pに「People(人)」を加えた5Pを意識するのがおすすめとのこと。5Pのフレームワークは競合のビジネスモデルやマーケティング施策の分析にも活用できるそうなので、ぜひ試してみてください。
価格設定にはロジックとバリエーションを用意
この4Pのなかでもっとも気をつけたいのが価格設定です。
グローバル観点でも引けを取らない価格をつけるために、「なんとなく」は禁物。事業を長く続けるうえで持つべき視点は次の3つです。
- 自社視点:コスト+価値
- 顧客視点:収益モデル × パターン
- 競合視点:競合サービスとの比較
このなかで、特に重要なのが顧客視点とのこと。
まずは「誰から」「何で」「どうやって」お金をもらうのかという収益モデルを考えます。このとき、それぞれを分けて考えることで、うまくいかないときに要因を分解しやすくなると言います。
- 誰から:全ユーザー、一部のユーザー、企業、政府…
- 何で:製品・サービス代金、オプション費用、維持費…
- どうやって:1回きり、継続的、初回無料…
上記3つを考えたら、1980円などの「端数価格」、時間や天候によって価格が変わる「ダイナミックプライシング」などのパターンをかけあわせてバリエーションを出してみます。慣れていない人は1パターンの価格だけで勝負しがちですが、少なくとも松竹梅の3パターンを用意するのがおすすめとのこと。
たとえば、梅プランと竹プランの間に大きな差をつけず竹プランに誘導したり、松プランを竹プランよりも圧倒的に高く設定して高い利益率を確保したりするなど、戦略的に考えると良いそうです。
避けたいのは、利幅を低く抑えた安価な価格設定。
単価を低く抑えると客数を増やさなくてはならないため、リソースが消耗され、新たなアイデアを考える時間も取れません。そんな負のループに陥らないよう、提供価値に自信を持ち、最初からどうすれば高価格で販売できるかを考えるのが肝心です。
法人向けマーケティングでは価値の証明が肝
最後に法人向けマーケティング戦略についてもお話がありました。
基本的に「Why」「Who」「What」「How」が大切なのは同じですが、それに加えて法人ならではの点として「Proof(提供価値の証明)」が必要とのこと。
戦略を立てる段階で改善率や削減コスト、シェア数などの定量的な数値のほか、導入事例や顧客のコメント、成果物の新旧比較といった定性的なデータなど、自社が提供する価値を客観的に証明するものを集めれば、大きな説得材料になるとお話がありました。
まとめ:今回のセミナーのポイント
- まずは顧客を徹底的に理解する
- 「不や負」を特定し、発生場所と理由を掘り下げる
- 提供価値は機能面以外で勝負する
- 商品やサービスの具体化は5つのPで考える
- 価格設定にはロジックとパターンを忘れずに
- 法人向けでは価値の証明を追加する
交流会
セミナー後は、異業種グループ交流、業種別グループ交流、自由交流の時間を設けました。
受付時に作成いただいた名札を使いながら、自己紹介・事業紹介を行いました!
講師の金丸さんもグループに混ざり、参加者と一緒に交流する様子も。
グループ交流終了後も、参加者同士で話し込んでいる方もいらっしゃいました。
最後は参加者でEDONOWAの「輪」のポーズで記念撮影をし、終了しました。
参加者からの声
参加者からは、
「セミナーで取ったメモ8ページ分を活かして頑張っていきたい。」
「新しいアイデアが浮かんだので実行しようと思う。」
というコメントも。
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